最新アルバム『プラタナス』

ロックソロール3部作を締めくくる『サケビタリナイナラ』が井口一彦の過去の集大成ならば、このアルバムはまさに未来の詰まった会心の作品だ。


01 ONE DAY
02 14時05分
03 OMBL
04 キミとふたりで
05 Slow Down
06 プラタナス
07 青時雨
08 明日の風
09 キミとふたりで ver.2

全9曲入り
\3,000
imo-002 2016年11月23日out.


爽快なイントロから幕を開ける『ONE DAY』は、切ない想いの歌詞を得意のディレイ効果のギターサウンドとアコースティックギターが印象的な仕上がり。

『オリオンに抱かれて』でも歌われる身近な幹線道路の名前やランドマークを歌詞に取り入れ、ストレートなリズムとエッジの効いたギターサウンドが軽快な『14時05分』

圧倒的なコーラスとリバーブ感が心地よいサウンドに、艶っぽいヴォーカルで歌い上げる『OMBL』Oh My Baby Love.

本アルバムの中心楽曲とも言える『キミとふたりで』
今年初頭『ONE DAY』と同時期に書き下ろされ、この作品を皮切りにレコーディングが始まった。
これまでの数々のバラードの中でもスケール感の大きさと、なんと言ってもそのヴォーカル力は井口自身の魅力を余すところなく見せつける珠玉のラヴソング。
M9には同曲のアコースティックバージョンも収録され、力強さと優しさの対比を是非味わってほしい。

『Slow Down』は独特の"こぶし"とも取れる歌いまわしと「こうやって生きるんだ」と力強く投げかける、これもまたアコースティックギターが印象的な楽曲。
ポジティブに前を向いて自分なりの人生を、と。

アルバムタイトルでもある『プラタナス』
アッパーチューンな曲と井口特有の中低音から、切ない高音までを駆使したヴォーカルと、ギターフレーズが耳に残る爽快な作品。
街路樹としてよく見かける事のできるプラタナスのように、「普通の感情でありたい」「普通の愛情でありたい」という願いを込めて楽曲タイトルとアルバムタイトルになった。

ある種女々しくもあり、時に男らしくもある人間性なのだろうか。
繊細な感情と「奪い去りたい」と儚い願いを力強く歌う『青時雨』
葉から落ちる水滴を時雨に見立てた語なのだが、プラタナスとリンクしているようにも思え、実はこのアルバムにはこういったギミックが随所に隠されているのではないか?とさえ思わされる。
恋をした日常の風景が思い浮かべられる作品だ。

出ました!これぞ井口!!とでも言いたくなるような、THE HEART時代の熱い感情が蘇るようなシリアスな作品『明日の風』
牙をむき「こんなシケタ時代じゃお前すら愛せやしねぇ」と歌い放つ。


全編SCHECTERのテレキャスターとアコースティックギター各1本だけで録音されたこのアルバム。
アプローチ、アンサンブル、アレンジ、曲、詩、ヴォーカル・・・
どれを取っても最高傑作である事は間違いない。
井口一彦の新たな歴史を垣間見る事のできる全9曲。

音楽は良いとか悪いとかではなく、好みかそうではないかだと思うのだが・・・
この『プラタナス』はとても良い。
  • 3,000円(内税)

型番 imo-002